糸島特別支援学校前の道沿いに、子供たちが描いた絵をもとにデザインした「ゆいの旗」がずらりと並ぶ。

糸島インクルーシブ・アートヴィレッジ・プロジェクト

インクルーシブな地域社会形成に対する取り組みの実施

#01

インクルーシブな地域社会形成に対する取り組みの実施

九州大学の伊都キャンパス移転から10年以上が経過し、伊都キャンパスの周辺地域も徐々に変化をしてきています。これまでも九州大学の様々な学内部局において地域貢献への取り組みを行ってきていますが、大学院人間環境学研究院では学際性を活かし、伊都キャンパス周辺地域の多文化状況と福岡県立糸島特別支援学校の設立によるダイバーシティ環境に応答するため、大学周辺地域におけるインクルーシブなコミュニティ形成のための実践、ダイバーシティ推進のための法人の設立及びそれらに資する研究・教育活動の展開のための拠点の設置を構想しています。大学院芸術工学研究院など他の学内部局と連携し、アートや先端技術を活用した取り組みを実施し、糸島に「真」にインクルーシブな地域環境を醸成していきます。

糸島インクルーシブ・アートヴィレッジ・プロジェクトの展望

事業内容

コミュニティ形成のためのアートを活用した実践

a. アートを活用したワークショップ

障害のある子どもたちや、海外からの居住者やその家族、地域住民や大学生が融合する形の企画を立案し、音楽・演劇・ダンス・造形・伝統芸能などの芸術活動をワークショップ形式で体験する機会を、大学院芸術工学研究院の教員との協働にて実施します。

b. レジデンスアーティストによる作品制作

ワークショップと連動し、多様な人々の共同による地域社会のコミュニティにおけるシンボルとなりうる作品制作を行います。

c. 生活の場と学術をつなぐコミュニティ形成

日常的な生活のなかでのコミュニティを形成するための多様な取組を行い、拠点の形成によって人々を呼び込むかたちだけでなく、コミュニティの場そのものが移動し、多様な人々を引き込む仕掛けを創出します。

コミュニティ形成のための実験的空間の設計と創出

大学院人間環境学府が中心となり、仮設建築等の技術を活用した移動型コミュニティの実践(「移動する公民館」)を行います。仮設の柔軟性・移動可能性を生かし多様な個性や選択などのニーズに合わせ、調整や模索を行います。

©木羽/ 北島千朔, 白石尚也, 濱上結樹, 矢野尾左山 (2021)

コミュニティ形成のための先端技術による場の創出

大学院人間環境学研究院の先端技術を活用して、コミュニティを形成する実践に着手します。例えば、VR技術や3Dスキャニングをインクルーシブな地域社会の形成に活用していくことを実践します。

ダイバーシティ推進のための法人設立に向けた整備

地域社会に根ざした学習や教育の取り組みを通じて、特別支援学校等の卒業後の就労や余暇を含めた居場所の創出を図ります。学内において障害者雇用に取り組んでいる九州大学エコセンターや福岡県内における先進的な福祉作業所や地場企業等と連携を行い、障害者雇用法人の設置を見越した教育実習プログラムと就労支援についての整備を行います。

インクルーシブ・コミュニティに関連する教育・研究助成

九州大学におけるインクルージョンやコミュニティ形成に資する研究・教育への助成を行います。また関連分野の海外研究者の訪問や交流を促進し、国際的にも先端性の高い取り組みを実施します。

本事業に関するお問合せ先

九州大学大学院人間環境学研究院 糸島インクルーシブ・アートヴィレッジ・プロジェクト
E-mail jbssyomu1-jinkan@○jimu.kyushu-u.ac.jp(メールアドレスの中の○を消してください)

このプロジェクトのメンバー

  • プロフィール画像

    宮本 聡

    人間環境学研究院 教育学部門 准教授